機械仕掛けのチルドレン・第六話K



(Jより続く)

「コラ~っ! ヒロユキ! 逃がさないわヨっ!! 公園でアンタとロマンティックなシーンを演じるのはアタシに決まってるでショっ!!」

 わああああ~~っ!! レミィのヤツ、ちゃんと弓道着で弓矢も持ってやがる~っ!

「浩之ちゃ~んっ!! 公園で抱き合う相手はわたしでしょっ!!」

 ひええええ~~っ!! あかりのヤツ、包丁を振り回すってのかあ~っ!!

「ヒ~ロ~ユ~キ~ッ!!!」

「浩之ちゃああ~~んっ!!」

「ひええええええ~~っ!!」

「はわわわわわわ~~っ!!」

 俺はマルチの手を引き、大声を上げながらひたすら逃げ回った。

 そして、数十秒後。

「はわわあああ~っ!! もうだめです~っ!! 電池が切れます~っ!!」

 なさけない声を出してマルチがへたり込んだが、無論、レミィとあかりはまだ追って来る。やむなく俺はマルチを背負い、走り続けた。

 更に、数十秒後。

 だめだ。俺もそろそろ限界だな。ここまでか……。

 すると、その時、俺の目の前に人影が、

「おおっ!! 雅史! 天の助けだ! たすけちくり~っ!!」

 しかし、雅史はにっこり笑い、

「浩之、僕たち、友達だよね」

 その一言で完全にエネルギーを奪い去られた俺が、その直後、レミィとあかりの餌食にされた事は言うまでもない。


 ……Leaf Virtual Real Novel Series Vol.3 「To Heart」 完……

(Lに続く)


この物語はフィクションであり、登場する人物、団体は全て架空の物です。

BGM:'DoTaBaTa' PlayStation版・「ToHeart」より 作曲・編曲:中上和英((C)Leaf/AQUAPLUS) MIDIデータ作成:VIA MEDIA

機械仕掛けのチルドレン 第六話J
機械仕掛けのチルドレン 第六話L
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