機械仕掛けのチルドレン・第六話D
(Cより続く)
ガチャッ
玄関のドアを開け、追い立てられるように外に出た俺を待っていてくれたのは、当然あかりのヤツだった。
「浩之ちゃん、おはよう、だめだよ、朝ぐらいちゃんと起きなきゃ。…えっ?」
「Hey! アカリ! グッモーニン!!」
俺の後から出て来たレミィを見たあかりは、眼をまん丸に見開いて、
「レミィ!? どうしてここに!?」
「モチロン、ヒロユキを起こしに来たのヨ! アカリもそうなんでショ!?」
「う、うん、そうだけど、どうして、家の中から…」
「ナニ言ってんのヨ! アタシはヒロユキの幼なじみダヨ! 幼なじみは、ベッドのところまで行って、たたき起こすのがニッポンのジョーシキネ! 昔のヒトはいいコト言ってたネ! 『虎穴に入らずんば虎児を得ず』ダヨ!! アカリもグズグスしてないで、ヒロユキをたたき起こすのがイイヨ!!」
「えっ? それって…? ええっ!?」
その時、俺のほっぺたに赤く浮き出たレミィの手形に気付いたのか、あかりはまた眼を丸くした。しかし、そんな事は意にも介さず、レミィは強引に俺に腕を絡めると、
「さあ、学校に行きまショ! レッツゴー!!」
俺は、レミィの圧倒的なパワーになすすべもなく、学校に向かって引きずられて行く。あかりのヤツは一瞬呆気に取られ、絶句したままだったが、
すぐに、
「あっ! 待ってよ~っ! 浩之ちゃ~んっ! レミィ~っ!」
と、俺たち二人を追って来た。
(Eに続く)
この物語はフィクションであり、登場する人物、団体は全て架空の物です。
BGM:'あなたの横顔' PlayStation版・「ToHeart」より 作曲・編曲:下川直哉((C)Leaf/AQUAPLUS) MIDIデータ作成:VIA MEDIA
機械仕掛けのチルドレン 第六話C
機械仕掛けのチルドレン 第六話E
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