機械仕掛けのチルドレン・第六話B
(Aより続く)
ピピピピピピピピピピピ
カチッ
……う~っ、なんだもう朝かよ。やだねえ……。
目覚し時計のスイッチをオフにした後、俺はベッドから上半身を起こし、窓に手を伸ばして、内側の厚手のカーテンを開けた。その外にはまだもう一枚、レースのカーテンがある。
サアアッ
爽やかな朝の光が、まだ開けていないレースのカーテン越しに、柔らかく、俺がいるベッドの上に降り注いで来た。
う~む、これはちょっと寝転ばないわけにはいかんだろ。……お、こころなしか、ポカポカして気持ちいいぜ。
時間は、……7時21分か…。
まだ少し余裕があるな。30分過ぎまで、こうやって、掛け布団の上で優しい日差しを浴びながら、太陽の恵みを存分にいただくとするか…。
…ああ、こりゃいいねえ…。ホント、極楽だぜ…。
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ピンポーン
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ピンポーン
「浩之ちゃ~ん」
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ん? 声が聞こえる。…あかりか?
「浩之ちゃ~ん」
ピンポーン
「ねえ、浩之ちゃ~ん。起きてる~?」
ああ、起きてるよ~。
ピンポーン
「浩之ちゃ~ん。 起きてよ~。浩之ちゃ~ん」
なんだ、やめろって言ってんのに、また人の名前を何度もちゃん付けで呼びやがって。いい加減、恥ずかしいじゃねーか。
ピンポーン ピンポーン
「浩之ちゃ~んっ! ねえ! 浩之ちゃんてば~っ!」
もう、高校生にもなって、いつまでちゃん付けで呼ぶつもりだ。あかりのヤツ。
「浩之ちゃ~んっ! ねえ! 起きてよ~っ。浩之ちゃ~んっ!」
うっせーな。やめろっつってんだろ。
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「浩之ちゃああ~んっ!」
「ええいっ! ちゃん付けはやめろって………!!??」
がばっ!!
げっ!! なにっ!!
ベッドの上に起き上がった俺は、時計を見てギョッとなった。
8時01分!?
やべえっ!! 遅刻するっ!!
「浩之ちゃああああんんんんっっ!!!」
俺は慌ててベッドから飛び起き、窓を開けると、
「起きたっ!! ちょっと静かにしろっ!!」
ところがその時、
(Cに続く)
この物語はフィクションであり、登場する人物、団体は全て架空の物です。
BGM:'新緑の草原' PlayStation版・「ToHeart」より 作曲・編曲:下川直哉((C)Leaf/AQUAPLUS) MIDIデータ作成:VIA MEDIA
機械仕掛けのチルドレン 第六話A
機械仕掛けのチルドレン 第六話C
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