機械仕掛けのチルドレン・第一話C
(Bより続く)
またもや絶句した二人に、五大は、
「申し訳ないが、チルドレンとなれば、総務部長たる葛城君、いや、加持ミサト君が担当だ。悪いが、彼女に教育を行ってもらわねばならん」
流石のミサトも顔色を変え、
「教育!? 一体なにを教育しろと!?」
五大は大きく溜息をつき、
「……要するに、一緒に生活する、と言う事だ……」
「!!!!!!!!!!!!!」
「!!!!!!!!!!!!!」
苦り切った顔の五大の横で、相変わらずニコニコと微笑むマリアの表情を見ながら、加持とミサトは呆然とするしかなかった。
+ + + +
「んーと、どこに行こうかなあ……」
シンジは自分の部屋でパソコンに向かい、インターネットの京都観光案内を見ていた。最近は単なる神社仏閣の案内に留まらず、結構色々な情報が手に入る。
「……やっぱり、ありきたりだけど、北山通りのあたりにするかなあ。植物園に行って、それから喫茶店に行って……」
ここまで考えて、アスカに電話するか、と、受話器に手を伸ばした時、
トゥルルル
「あれ? ……はい、碇です」
『あ、俺だ』
「あ、加持さん」
『悪いがな、今16時半だよな。で、16時40分ごろに、俺達の部屋に来てくれないか』
「は、はい。わかりました。……あの、なにか……」
『それがな、結構重大な事なんだ。いや、もちろん、事件じゃないよ。事件じゃないんだがな……。ま、詳しくはその時言うよ。あ、それから、今ミサトがアスカにも電話してるから、そのつもりでいてくれ』
「は、はい……」
『じゃな、40分に頼むぜ』
電話は切れてしまった。シンジは何とも言えない表情で、
「…………」
受話器を置くと、パソコンを終了させるべく、机に向かった。
+ + + +
「あ、シンジ」
加持とミサトの部屋の前には既にアスカがいた。何となく先に入るのが気が引けて、シンジを待っていたのである。
「待っててくれたの」
と、シンジが言うのへ、アスカは軽く頷き、
「うん、なんとなくさ、シンジと一緒に入りたかったのよ。ミサトのようす、変だったしね……」
「うん、とにかく入ろうよ」
シンジはインタホンに手を伸ばした。
ピンポーン♪
一瞬置いて、
『はあい♪』
「!?」
「!?」
二人は驚いた。今まで聞いた事もない声、それも女の子の声だ。戸惑う二人の事など構わず、その声は、
『あ、碇シンジ様と惣流アスカ・ラングレー様ですね♪ 今開けます♪』
「……?」
「……?」
訳が判らずに絶句している二人の前で、ドアが開き、
ギイイイッ
「いらっしゃいませ♪」
と、顔を出したのは、中学校の制服を着て、綺麗なグリーンのショートカットヘアーの左右には二つの大きな丸い髪飾りを付けた、少し垂れ気味だが大きい瞳がきらきら光る、何とも愛くるしい、微笑みを浮かべた美少女である。
「!!??」
「!!??」
ますます訳が判らず混乱する二人に、マリアは追い討ちをかけるように、
「初めまして、私はIBOのナインスチルドレン、アンドロイドの水無月マリアです♪ これからよろしくお願いいたします♪」
続く
この物語はフィクションであり、登場する人物、団体は全て架空の物です。
BGM:'A Sunny Day ' composed by VIA MEDIA(arranged by Singer Song Writer(有限会社インターネット))
機械仕掛けのチルドレン 第一話B
機械仕掛けのチルドレン 第二話A
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