第一部・原初の光




「やったわ!! 三人ともお手柄よ!」

 ミサトは拳を振り上げた。由美子も大きく頷き、

「よしっ! 後は魔界の穴だけねっ!」

『こちら四条!! アスラ破損のためヤキシャとドッキングします!!』

「こちら中畑!! 了解!」

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第三十六話・打破

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「ガルーダ! なんとかしてくれえええっ!!」

「クウエエエエエエエッ!!」

 サトシの叫びに呼応してガルーダは雄叫びを上げ、一層強く光る。その時サトシの心に声が響いた。

”サトシ、私ト共ニ斬リ込メ”

「はっ!! ガルーダ!?」

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 祇園寺と伊集院も、「最後の戦い」に突入していた。

『死ねえええええっ!!』

『地獄へ落ちろおおっ!!』

 その時、ゲンドウの断末魔の叫びが飛び込み、

『ぐああああああああっ!!!』

 流石の祇園寺も、顔色を変え、

『あああっ!! 碇いいっ!! クソおおっ! 不覚にもお前等を舐め過ぎていたかあっ!!』

『今だっ! 覚悟っ!』

『バシイイイッ!!!』

『うわああああっ!!』

 遂に伊集院の光線剣が祇園寺の肩口を切り裂き、祇園寺はひるんだ。

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「ガルーダ! 光線剣! 斬り込めええっ!」

『沢田くんっ!!』
『沢田くんっ!!』

「魔界の穴」に突入したガルーダを見て、リョウコとアキコは慌ててレーザーを止めた。

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 由美子は叫んだ。

「ああっ!! サトシ君! 入っちゃだめっ!!」

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 サトシは叫びながら中央の二人めがけて斬り込んだ。

「うわあああああああっ!!! 祇園寺! 覚悟しろおおおおっ!!」

バシイイイイッ!!!

『うぎゃああああああああああっ!!』
『うわあああああああっ!!』

 袈裟懸けに斬り込んだガルーダの剣は中央部の二人のバリヤーを突き破った。その瞬間、伊集院と祇園寺の断末魔の叫びと共に、眼も眩むような青い光が閃き、周囲を包んだ。

「うわあああああああああああっ!!!」
『きゃあああっ!!』
『きゃあああっ!!』

 余りの光の強さにサトシ、リョウコ、アキコの三人は思わず眼を閉じた。そして次の瞬間、恐る恐る眼を開けた彼等は信じ難い物を目にした。黒い球体だった「魔界の穴」が瞬く間に縮小し、ガルーダの目前で小さな黒い固まりになったと思う間もなく、白っぽく光り出したのだ。しかもそれは球体ではなく、明らかに「人間の形」をしていた。

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「何だっ!!!??」

 サトシは驚いて目の前に現れた「人型の物体」を見詰めた。その時、スクリーンにウィンドウが開き、それを見たサトシは全身が凍り付いた。

「!!! まさかっ!! 渚カヲル!!??」

『やあ。君がサトシ君かい。シンジ君と同じカルマを持つもう一人のシンジ君だね』

『何者なのっ!!』
『どう言うことっ!!』

 リョウコとアキコも思わず叫んだ。何と、そこに出現したのは渚カヲルだった。

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 中央制御室のモニタも激しく光り、全員が思わず眼を閉じていた。そして恐る恐る眼を開けた後、その状況に愕然とした。ウインドウが開き、一人の少年が映っているではないか。ミサトはその余りの状況に戦慄した。

「渚カヲル!! まさかっ!!」

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 戦闘を終えた全てのパイロット達も、光に驚いてそちらを見た。シンジは全身が凍り付いた。

「カヲル君!!!!!!!!」

『渚カヲル!!!!』
『渚カヲル!!!!』

 アスカとレイもカヲルの出現に愕然とした。二人ともかつてのカヲルを現実に見た訳ではないが、アスカは補完世界で「情報」を得ていたし、レイは「暗黒の次元」で元の世界が破滅する状況を垣間見ていたので、その少年が渚カヲルであると言う事を認識出来たからだ。

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「どう言うことだ! なぜお前がここに!!??」

 サトシの叫びにカヲルはニヤリと笑い、

『祇園寺さんと碇さんの魂は全て僕が貰ったよ。彼らの遺志は僕が受け継いだ。いまは僕自身が「魔界の穴」なんだ。全てを包み込んで一つになる。素晴らしいじゃないか。そう思わないかい。この世界のリリン達』

「わけのわからないことを言うな!! どうするつもりだ!!」

『決まってるじゃないか。アダムより生まれし僕が魔界の力まで手に入れたとなれば、もう彼等の遺志を受け継ぐしかないだろ。それが僕のカルマであり、宿命だったのさ』

 その時、シンジの声が無線に飛び込んで来た。

『カヲル君! やめてくれ! たのむからやめてくれ!』

『シンジ君、そこにいたのかい。僕と一つになろう。そして二人で永遠の命を生きるんだ。素晴らしいじゃないか』

 アスカの怒鳴り声も響き渡る。

『くぉのおおーーーっ!! このナルシスホモ!! あんたなんかに世界を好きなようにはさせないわよ!!』

『おやおや。これはセカンドチルドレンじゃないか。君の心は嵐のように乱暴だね。好意に値しないな』

『なんですってえーーーーっ!!!』

 サトシは腹の底から怒鳴った。

「お前がなんであろうと僕らの世界を自由にはさせない!」

『残念だねえ。こんな形でもう一人のシンジ君に会いたくはなかったな。別の形だったら、いい友達になれたのにね』

「ゴタクはもう聞きあきた! お前が祇園寺の魂を受けついだのならそのまま僕らの敵だ! お前を倒す!」

『サトシ君。祇園寺さんの魂は、他ならぬ君達の世界のカルマそのものなんだよ。それは君達自身のカルマでもあり、運命でもあるんだ。それを理解しないのかい』

「祇園寺はこちらの世界の人間だった。祇園寺の行為の結果に関してはこちらの世界の僕らが全ての責任を負う。お前に言われるまでもない! 僕らの世界の未来は僕らの責任だ!」

『そうかい。じゃ、仕方ないね。でも、僕も使徒の端くれだ。魔界の力も手に入れた。全ての命を運命のままに、「原初の暗黒」に還元して一つにまとめる。それを邪魔する者には消えて貰うよ』

 突然カヲルが強烈な白い光を発し、サトシは思わず眼を閉じた。

「わあああああああああああああっ!!! まぶしいっ!! ……ああっ!! こっ、これはっ!!!」

 恐る恐る眼を開けて見ると、目の前に「灰色のガルーダ」が静止していた。

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 真由美が叫んだ。

「ガルーダの前に『灰色のガルーダ』が出現しました! 使徒の少年が変化したようですっ!」

 由美も声を張り上げ、

「ガルーダと使徒の周囲に直径約50メートルの球形のバリヤーが形成されていますっ!! ディーヴァとガンダルヴァはその外ですっ!!」

 由美子は眼の色を変え、

「サイコバリヤーなの!? それともATフィールド?!」

「両方の性質を持っています!」

「オクタ全機! ガルーダの応援に向かって!! ミサト、初号機にも応援させて!!」

『四条了解!』
『形代了解!』
『北原了解!』
『玉置了解!』
『橋渡了解!』

「シンジ君!! ガルーダの応援に回って!!!」

『はいっ!! 行きます!』

 由美子が、かつてない大声で、

「サトシ君! 聞こえる!? 返事してっ!!」

『はいっ! 聞こえますっ!』

「聞こえるのねっ!! すぐにみんなが応援に行くわっ! それまでがんばってっ!!」

 ミサトも声を張り上げ、

「アスカ! レイ! シンジ君をバックアップして!」

『まっかせなさい! 空中戦はゲームで鳴らしたんだから!』
『了解!』

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 ガルーダのカプセルのウインドウに映ったカヲルは不敵な笑みを浮かべた。

『サトシ君、これで僕と君の二人だけだ。どこにも行けないし誰にも邪魔されない』

「どうするつもりだ!」

『君が乗っているガルーダは神の力を持っている。僕は使徒であり、こちらの世界を代表する祇園寺さんの魂と、あちらの世界を代表する碇さんの魂は手に入れた。更には僕を蘇らせてくれた魔界の力も持っている。後は神の力だけだ。君を倒して神の力を手に入れる』

「そうはさせるかあああああっ!!」

 ガルーダは光線剣を延ばしてカヲルに斬り掛かった。カヲルもすぐさま光線剣を延ばしてガルーダの剣を受けた。

バシイイイイイイイイイイイッ!!

 光線剣が重なり、音を立ててアークが飛ぶ。両者は一歩下がって身構えた。

「うおおおおおおおおおおっ!!!」

 サトシは叫びながらカヲルに必殺の突きを入れる。カヲルは寸前で切っ先を躱し、袈裟懸けに斬り込んで来る。ガルーダは瞬時に降下してカヲルの剣を躱す。閉鎖された空間で一進一退の攻防が展開されていた。

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 マサキが怒鳴る。

「みんな! 応援に行くでえええっ!!」

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 アスカも怒鳴る。

「レイ! 行くわよ!!」

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 レイも叫ぶ。

「了解! シンジくんは下で待機して!」

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 シンジは大きく頷き、叫んだ。

「わかった! 綾波!」

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 残った5機のオクタヘドロンとエヴァンゲリオン初号機、そして、アスカとレイのカプセルはバリヤーのそばまでやって来た。初号機は地上で待機し、他機は空中に静止してバリヤーを取り囲んだ。

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「沢田君! 気い付けえ! レーザー撃つで!」

 マサキはサトシに呼び掛けるとすかさずレーザーを撃った。しかしバリヤーはレーザーを完全に跳ね返す。

「あかん! なんちゅうバリヤーや!!」

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「ナーガ! 光線剣でバリヤーを斬ってくれっ!」

「ウオオオオオオオオンンッ!!」

「バシイイイイッ!!」

 ナーガは雄叫びを上げて光線剣をバリヤーに斬り付ける。しかしアークが飛ぶだけであった。

「あかんっ!!!」

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 アスカもカプセルからメーザーを照射したが何の効果もなかった。

「こんちくしょおおっ!! メーザーもきかないのっ!」

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 シンジは悲痛な声で叫んだ。

「カヲル君! やめてくれっ! これ以上僕たちと戦うのはもうやめてくれっ!」

 しかしカヲルは笑いながら、

『シンジ君。これが僕たちの宿命なのさ。もうすぐみんな一つになるよ』

「カヲル君! やめるんだああっ!!」

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 サトシはガルーダでカヲルと切り結びながら叫んでいた。

「碇君! もう言うな! こいつは渚君じゃない! マーラだ! 実体化した魔物だ! 僕らの世界の罪の結晶なんだ! この罪は僕らがつぐなう!」

『サトシ君。いい事言うねえ。ほんとに、君とは友達として会いたかったな。もう一人のシンジ君としてね』

「言うなあああっ!!!」

 ガルーダは大上段から剣を振り下ろした。しかしカヲルはまたもや光線剣で受ける。戦いは膠着状態に陥っていた。

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 由美子の顔は蒼白になっていた。

「まずい! このままじゃサトシ君の気力と体力が!!」

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(サトシくん!! がんばって!!)

 レイは何も出来ない現在の自分の無力さを呪いながら唯々サトシの無事を祈るしかなかった。

………)

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「くそっ!! なにもできないなんて……」

 苦悩し、歯噛みするシンジの心に、突然声が響いた。

(「シンジ、父さんを許してあげて……」)

「母さん!!!」

『ちょっとシンジ! なに言ってんのよ! どうかしたの!』

 カプセル内にアスカの声が響く。しかしシンジは上の空だった。

(「父さんは、私に会いたかっただけなの、本当は弱い人なの……。父さんを許してあげて……」)

「母さん! どこにいるんだ!」

『シンジ! しっかりしてよ! シンジ!』

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 ミサトも大声で叫んでいた。

「シンジ君! どうしたの!? しっかりしなさい!」

 その時、由美が振り向き、

「初号機パイロットの脳波に別の脳波パターンが出ています! 別人の脳波が混入しているかのようです!」

 それを聞いたミサトは顔色を変え、

「なんですって!? 分析して!!」

「了解!!」

 その時、後から山之内の声がした。

「どうだ!? 状況は!?」

 由美子が振り向き、

「あっ! 山之内君!! 無事だったのね!」

 ミサトも思わず、

「加持君!! よかった!」

 加持は、疲れた顔に少し苦笑を浮かべ、

「まあ、なんとかな」

 二人に同行して来た美由紀が、

「二人ともどうしても行くって聞かないのよ。応急手当はしておいたわ」

 山之内は再び、

「状況はどうなんだ!?」

 由美子は真顔で、

「本当の最終決戦よ!」

 その時、由美が叫んだ。

「初号機パイロットに混入した脳波パターンは初号機から出ています!」

 ミサトは愕然とし、叫んだ。

「なんですってえっ!!」

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(「あなたと一緒にいるわ。シンジ」)

「なんだって! まさかここに!?」

(「そうよ。さっき父さんがあなたに倒された時、私の心は分離して初号機に重なったの。父さんを許してあげて。私は父さんと永遠の眠りにつくわ。だから父さんを許してあげて」)

「どう言うことなの!!」

(「父さんの魂は眠ったまま使徒の少年に取り込まれたわ。もう二度と目覚めさせてはいけない。ATフィールドを全開にして、全力で跳び上がりなさい。後は私にまかせて」)

『ちょっとシンジ! 返事しなさいよっ!!』

 苛立ったアスカの声が無線に飛び込んで来る。

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「どうしたらいいの! ディーヴァ!!」

”リョウコ、私ト一緒ニ来イ。突入スル”

「はっ!! あなたはディーヴァ!?」

 その時ディーヴァは青く輝いた。リョウコは咄嗟に決心した。

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「どうしたらいいんじゃ! ガンダルヴァ!!」

”アキコ、私ト一緒ニ来イ。突入スル”

「ガンダルヴァなんね!!!」

 ガンダルヴァも青く輝いた。

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 リョウコは操縦桿を握り直し、叫んだ。

「全速で突入! 光線剣装備!」

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 アキコも声を張り上げた。

「全速突入! 光線剣!」

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「ATフィールド全開! ジャンプしろっ!!」

 シンジの叫びに呼応し、初号機も全身が青く光った。

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 由美子は顔色を変え、怒鳴った。

「みんなどうするつもりっ!!??」

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「うわああああああああっ!!」

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「わああああああっ!!」

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「うおおおおおおおおおっ!!」

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 ディーヴァ、ガンダルヴァ、初号機の3機は同時にバリヤーを突き破った。そしてそのまま中央のガルーダとカヲルめがけて突進した。

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”サトシ、サラバダ”

「はっ! ガルーダ!!」

 カヲルと切り結んでいたガルーダは突然両手を広げて防御を放棄した。そこへカヲルが斬り掛かって来る。

バシイイイイイイッ!!

 ガルーダの体にカヲルの光線剣が食い込み、アークが飛んだ。しかしガルーダは斬られながらもカヲルに抱き着く。

「うわああああああっ!!」

バシュウウウウウッ!!!

 サトシの乗ったカプセルが強制分離された。

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「きゃあああああああっ!!」

 ディーヴァが中央部の2機に激突する寸前、リョウコのカプセルが強制分離された。

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「きゃあああああああっ!!」

 アキコのカプセルも激突寸前に強制分離された。

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(「さようなら。シンジ」)

「母さんっ!!」

 シンジのカプセルも強制分離された。

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 中央部で組み合っていたガルーダとカヲルに、ディーヴァ、ガンダルヴァ、エヴァンゲリオン初号機が同時に激突した。

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンッッ!!!!

 爆発の瞬間、とてつもなく強い青い光が輝いた。

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 千本丸太町交差点上空に発生した強烈な青い光は一瞬にしてドーナツ状の光の輪となり、凄まじいスピードで地表を舐めるように進んだ。そしてその光は瞬時に地球の裏側に到達し、そこで収斂して一瞬強く光って消えた。

 続く



この物語はフィクションであり、登場する人物、団体は全て架空の物です。

BGM:'祈り(Ver.4b) ' composed by VIA MEDIA

原初の光 第三十五話・激突
原初の光 第三十七話・帰還
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